2022

浅葉克己ゼミ

希望

僕は篠田正浩監督に美術監督として選ばれ、3本の映画製作に参加させていただいたことがある。1本目は「写楽」、2本目は「梟の城」、そして3本目は「スパイ・ゾルゲ」。スパイ・ゾルゲは日本の昭和時代をテーマにした映画だ。現在のアフガニスタンやミャンマーに相当する。激動の時代だった。篠田監督は台本の冒頭に「魯迅」のことばを記した。
思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。魯迅
高層ビルも建ち並び、高速道路もいっぱい出来た現代。次の時代の「希望」とは何か、難しい題だが、君たちには見えている。

注:魯迅。中国の文学者。日本で医学を学び帰国後「狂人日記」「阿Q正伝」などを書く。中国近代文学の先駆者。創作・翻訳・社会批評に活躍した。東京・神田や中国・上海に行くと魯迅が来た店によく案内される。

担当教員

浅葉克己

Art Director

林加楊

書家

杣田佳穂

ミサワバウハウスコレクション学芸員

川畑明日佳

桑沢デザイン研究所 専任教員

浅葉 克己

Art Director

1940年神奈川県生まれ。県立神奈川工業高校図案科、桑沢デザイン研究所、佐藤敬之輔タイポグラフィ研究所、ライトパブリシティを経て、1975年浅葉克己デザイン室を設立。代表的な仕事に、西武百貨店「おいしい生活」、サントリー「夢街道」、武田薬品「肉体疲労にAじゃないか」、ミサワホーム「ミサワ デザイン バウハウス」、イッセイミヤケ「ISSEY MIYAKE」「HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE」のロゴなど。東京TDC賞、毎日デザイン賞、日本アカデミー賞最優秀美術賞、東京ADC賞グランプリ、亀倉雄策賞、紫綬褒章、旭日小綬章など受賞歴多数。AGI会員、東京TDC理事長、JAGDA理事、東京ADC委員、桑沢デザイン研究所10代目所長(2011-2020)、東京造形大学・青森大学客員教授などを務める。卓球は六段の腕前。

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