THE BUBBLE OF POINTILLISM 点描の泡

丹下 佳晴

BY CHANCE,RELAX,HOPE

自主的に作品を作っていたところ、正方形のドットで表現された泡のような
球体が出来上がったので、それをフォーマットにドットの位置を変えず
色だけを変えていき、いろいろなものに変化させていった。

浅葉ゼミの今年の卒制テーマが「希望」だと聞き、偶然生まれ、姿形を変えながら希望とは
反対の方向へと導いてしまう存在である「コロナ」とこの作品群が自分の中でふと重なって
しまった。この泡を変化させていき、コロナの広がり方を模倣して希望に向かわせることは
できないか。人間がうけてしまった悲しみを少しでも前に進む糧にできないかと考え、
これらを卒業制作作品としてさらなる制作を進めるに至った。

最初のフォーマットがバラバラしたドットでできている都合上、表される図像が捉えにくく
なっているが、それにより鑑賞者自身が目の前にあるのにどこか捉えきれない「希望」を、
自己の体験や記憶を基に想像し、完成させるプロセスを体験する。

また、この制作では具象的なものだけでなく抽象的なものも含めて両方を表現することで、
神羅万象ありとあらゆるもの・ことに希望の一端を見出す試みをしている。

丹下 佳晴
愛知県生まれ。
展覧会と画集、歌とギター、
おしゃべりが好きです。

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