アリブレヘ、アリブレヘ
メキシコの民芸品である。アリブレヘ(Alebrije)が持つエネルギッシュな色彩に心惹かれ、テーマとしてピックアップした。
創案者である職人ペドロ氏が、重病で死の淵を彷徨った見た夢に出てきた生き物がモチーフのデザインである。
彼の夢の中、死の森の中に迷い込み、周りの環境がサイケデリックな色彩と模様に覆われ、徐々に生き物の姿に変身していった。
その生き物たちは、死の森から現世に戻すために、「アリブレヘ、アリブレヘ」と謎の声で追い返した。
死の世界と現世を繋ぐもの。周りの環境に精霊が宿る八百万の神のような神聖さ。この不思議な体験を伝えたく、制作した。
いつかなくなる愛しい空き地
東京の好きな場所を伝える課題。
窮屈な東京に穴が空いたように現れたこの空き地。その穴からは季節の香りや豊かな日の光を感じさせてくれるような場所であり、鬱蒼とした日々の息継ぎができる場所だった。複雑な内容をいかにシンプルにキャッチコピーに仕上げるか。どのようなビジュアルにすべきか。ラフスケッチを何度も重ね、検証、デザインした。
グチャア(GUCHYA)
掃き溜めに鶴という言葉がある。汚いものの中に飛びぬけて美しいモノがまじっていることを意味している。都会には汚いもの、カオスなものがありふれ、その中に美しいモノ、面白いモノを見つけるのは疲れる。
掃き溜めの中にある美しさを雑誌を通して伝えることで、少しでもカオスな都会を面白がってみてもらえれば幸いである。
「グチャア」は汚さを表現すると同時に何かが潰れる力強い動的なイメージもあることからネーミングした。