


「観察」と「要素の組み合わせ」による、日常の再発見
地元、長野県の高校を卒業し、18歳で上京して桑沢デザイン研究所に入学しました。
この卒業制作は、長年自分が取り組んできた「手描き」と、桑沢での3年間で培ってきたデザイナーとしての考え方を複合させたものになります。きっかけは、3年次前期の最後の授業にアートディレクターであり、グラフィックデザイナーの岡崎智弘さんがゲストとして来られた際に、取り組まれた仕事の内容や考え方を知り、とても感銘を受けたことでした。日常にありふれ、溶け込んでしまっているものをじっくりと観察し、そこから得られた発見を別の要素と組み合わせて新しい視点から見つめ直すことを全体のテーマとしています。
また、デザインをする上で私が最も大切だと考えている「テーマやコンセプトが分かりやすく、面白さや魅力がしっかり他人に伝わるデザイン」の実践でもあります。普段とは違い、様々な方が見にきてくださるこのような場で発表をするのはとても緊張することですし、自分の意図したものや面白さが伝わるのかどうかとても不安ではありますが、私の作品を見てくださった方に少しでも残るものがあるのならば幸いです。
点描表現を最大限利用した展示
100φに切り抜いたトレーシングペーパーに直接手書きで点描をしたものを3枚用意し、それらをイラスト作成ツールの「レイヤー 機能」のように重ね合わせ、それをアクリル板で挟み下からの光源で照らしています。一枚の紙に描いただけでは表現できない微妙な明暗を表現できるよう意識しています。



展示グラフィックも今までの勉強を思い出しながら、作品のテイストにあったものを制作しました。そのもの「らしさ」を最大限演出できるようにそれぞれ制作をしています。