この場所で。

水野藍子

展示部分 透明水彩と色鉛筆で描画。壁面はクレヨンで描画しました。

縁とつながり

縁やつながりについて、私は興味がありました。みんな同じ世界に住んでいて、同じ時を生きているはずなのに、出会える人と、出会えない人がいる。遠くに行ってしまったとしても、再会できる人と、一生会えないであろう人がいる。昨日は会えたのに、今日は会えない。そういった偶然性や奇妙さに、私は時に苛立ち、時に喜びながら、魅力を感じていました。今回はこれまで私が感じてきた、縁やつながりが持つ、奇妙さや不思議さといった魅力を表現したいと思い、この作品を制作しました。

手でつくる、ということ

コロナの中でのものづくりは、PCでの制作が中心でした。アイデアスケッチは手書きでしていても、完成したものはデータになっていて、手でつくる、仕上げるということはこの一年、とても少なかったです。また、外に出ることが少なくなって、自分自身と向き合う時間が、これまでと比べてとても長くありました。それは、とにかく前に進もうと勉強し、新しいことを知ろうとしていた私にとって、一度立ち止まり自分を見つめ直すことができた良い時間だったと、今は思います。
そんな中で、この作品を作りました。私の手の中で作品が出来上がっていく様は、純粋なものづくりの楽しさを思い出させてくれました。

動画部分・展示全体

この場所で、特に大きな事件は起きません。ただ椅子を巡って関係性が生まれて、ただ時が過ぎ、一年が経過していきます。皆さんにも、きっと私の知り得ないそういった場所があるのだと思います。また、もしかしたら私と皆さんはどこか知らない場所で、既につながっているのかもしれません。
展示会場には、動画に出てくる椅子と同じ椅子を用意しました。SNSのように言葉や数字で見えるつながりではないけれど、この場所で、確かに他者とつながりの中にいることを、感じて欲しいと思いました。

使用音源
https://dova-s.jp/bgm/play8408.html
https://dova-s.jp/se/play966.html
https://dova-s.jp/se/play797.html
https://taira-komori.jpn.org/enviroment01.htmlhttps://soundeffect-lab.info/sound/animal/


水野藍子
埼玉県生まれ。
2021年桑沢デザイン研究所卒業。

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