
表紙 シナ合板
本文用紙 淡クリームキンマリ・アラベール・風光
使用書体 A1ゴシック・こぶりなゴシック
観るより、撮るより、かく派
「かく派」とは、文字にすること、絵に描くことで気持ちを整理し、心のバランスをとる人のことです。
桑沢で過ごした三年間のものづくりの中で、アイデア出しのためにラフを描いている時間が一番楽しく感じました。鉛筆を走らせて線を書き連ねていると段々イメージが固まってきて、作りたいものが明確になる瞬間が好きでした。私の「かく」ことから生まれた文章や絵を使って、誰かの「かく」ことを手伝えるような本を作りたいと考えて制作を始めました。


この本は、詩と、イラストと、たくさんの余白で構成されています。読み物として読むこともできるし、この余白に何をかき込むかによって日記のようにもらくがき帳のようにも使えます。
かくことを助けてくれるステーショナリーセットも制作しました。例えば、日記に特筆することはないけれどなんとなく良かった日には、大きなはんこをポンと押して一日を終えてみたら、なんだかすこし楽しい気分になるような気がしませんか?

読んでくれた誰かの心にキュンとくるものがあることを願って、詩やイラストをかきました。お気に入りの本は手元に置いておきたくなるものです。さらに、かき込んで自分のノートにしていくことで、その人の人生に寄り添っていく一冊になれると信じています。今日この本を手に取ってくれたあなたが、かき留められるほどの小さな幸せを積み重ねて、すてきな明日をつくっていけますように。





実際の展示では、来場された方にご協力いただき、作品に書いて(描いて)いただきました。卒展期間を通して一冊の特別な本をつくるお手伝いをしてくださったみなさま、ありがとうございました。