日本画絵本「おしゃれな が」

大川由以奈

日本画絵本「おしゃれな が」/ 冊子「日本画絵本研究本」/ 日本画原画 「カラフル」

デザインとアート

私が桑沢デザイン研究所に入学してから、学校外の人によく聞かれる事があります。それは、「デザインとアートって何が違うの?」という事です。私は、デザインは情報の説明を優先してつくるもの、アートは感情を優先してつくるものだと思っています。高校生の頃、芸術系美術学科に属しアートを学んでいた私は桑沢に入りデザインを学び、双方の考え方の違いに大きく困惑しました。今まで学んできたアートの考え方と新しく学んだデザインの考え方は、全く違う考え方をするからです。私は、3年間デザインとアートの狭間にいました。
今回の卒展では、「デザインとアート」どちらも学んだ私だからこそ作れる作品を制作しました。原画の日本画はアート、制作過程をまとめた冊子はデザイン、そして両方の分野が手にとってわかるように「本」という形で表しました。

冊子「日本画絵本研究本」/ 日本画原画「白」

付属冊子「日本画絵本研究」

絵本の他に、卒業制作の過程をまとめた冊子を制作しました。それが「日本画絵本研究本」です。工藤ゼミでは1週間に1度作品の進行報告をしています。その際、実際に描いている体験談をまとめて絵本と一緒に展示しようと工藤先生に提案していただき、この日本画絵本研究本をつくる事になりました。
最終的に、作品の中でこの冊子が一番作りがいがあったものになりました。メインの内容である描き手としての感想や反省をそれぞれの日本画に対して書き連ねたページは、本来、実際の展示で生の原画を見る際に説明として見る用にまとめましたが、自身で読み返すと不思議と創作意欲が湧いてきます。制作していた頃の自分に力を分けてもらっている感覚です。
私の展示はこの冊子無しでは成り立たないと感じました。アートにはデザインほどの説明力がありません。ですので、この冊子がアートを説明するデザイン的役割を担うのです。

大川由以奈
埼玉県生まれ。
2018年桑沢デザイン研究所入学。

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