たねばこ

矢野ちひろ

手紙のある日々をおくろう

近年あまり利用されることのない手紙というコミュニケーションツールを利用してもらうことを目的としたプロダクト。手紙を書く時に使用する道具を一つにまとめ、そして家具として部屋の中に設置することにより、ユーザーに日常の中で手紙という選択肢を意識してもらいます。

もともと文房具が好きで便箋を集めたりレターセットを集めたりしていたことと、ファンレターで手紙を書く機会が多かったためこのプロダクトを発想しました。特にインターネットのサービスを通して文通を始めたことで、全く知らない相手とのゆっくりとしたコミュニケーションに感動しました。SNS疲れやコロナ禍で疎遠になった人間関係を手紙の力で解決してほしいという思いも込めています。

たねばこという名前は、使用者に自分からコミュニケーションの種を撒いて欲しいという意味を込め命名しました。人から話しかけられるのを待っているだけの交友は、良くて現状維持。多くの関係は知らず知らずのうちに衰退していってしまうと私は考えています。 種を撒き目を掛け水をやり続けないと、話に花が咲くような素敵な人間関係を築くことはできない でしょう。このコロナ禍で直接会うことが容易でなくなった今世では、手紙というコミュニケーション ツールがその一端を担えるのではないかと思います。

よく文字におけるコミュニケーションは相手の顔が見えないため感情の機微が伝わりづらくすれ 違うことが多いと言われてしまいます。SNSでのコミュニケーションで絵文字や顔文字を使用する のはこの隙間を埋めるためですが、手書きの文字で繋がる手紙には書き手の感情が細部に表 現されるので心配ないと考えています。 便箋を眺め文字から相手の表情を想像し、なぜこの言葉を選択したのか推察していく行為は小 説を読み解くのとよく似ています。直接会わないからこそ相手を想う気持ちが積み重なり、一層 誰かのことを愛おしく思えます。

そんな素敵な手紙を送りあう日常がもっと多くの人にとって身近なものになって欲しいと考えながら制作をしました。
キャッチコピーは「手紙のある日々をおくろう」です。

矢野ちひろ
神奈川県出身
2022年3月 専門学校桑沢デザイン研究所 卒業

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