Personal scramble

野村明日香

渋谷の環境に溶け込む

たくさんの人が交差する渋谷において、人間とは環境である。自分がたくさんいる人間の中に紛れるというのは環境の中のひとつになることである。環境の中に自分の個体が消えゆく。そんな空間をハチ公広場に作った。

本課題は、アーティストを一人選び、深く考察するというところから始まった。
私は草間彌生の「自己消滅」というキーワードに着目し、作品全体のテーマとした。

次に大勢の人間が流動していく、ハチ公前広場を観察し、写真を撮影した。
何枚も撮影したり、加工したりしていると、人間たちがひとかたまりの模様のように見えてきた。
模様のように見えてきた人間たちは、一つのかたまりとなってハチ公前広場で信号を待っていた。大勢が流動するハチ公前広場こそが、もうすでに自己消滅する場なのではないのか?

草間彌生は水玉を生命の象徴とした。
ここでは、スクランブル交差点の横断歩道を掛け合わせたようなデフォルトされた人間たちを生命の象徴とした。それらが建築・インテリア・エレメント全てを担う空間構成を試みた。

野村明日香
高知県生まれ。
2022年桑沢デザイン研究所修了。

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View