星観察日記

木村汐里

20,000巻目を生きる私達

制作のきっかけ
ふと漫画の世界の住人にはどうしたらなれるのか、考えたことがあるでしょうか。
漫画を読む人は一度は作品に自分自身を入り込ませたり、どんなファンタジー世界に入ろうかと妄想を広げた経験があるかと思います。
しかし、私はそんな妄想だけでは物足りなかったのです。もっとリアルに、もっと現実的に漫画の世界の住人になりたい、と思ったのがきっかけでした。

そこで生まれたのが星観察日記という漫画です。
これは、人間が誕生してから滅亡するまでを毎日短いページでまとめた長・長編作品になります。

【あらすじ】
空に浮かぶ小さな星は人間である。
ある日カプセル人間という宇宙商品を大量にばら撒いてしまった作者は、彼らがどこへ行くのか見守ることにした。そして人間が降り立ったのが“地球”という惑星である。
それから月日が経ち、長きにわたり宇宙を浮遊していた“ニホンジン”二人が共に日本という土地に降り立った。そこで作者は二人から始まりどんな成長を遂げるのか、観察日記をつけることに決めたのだ…。

そして時代は進み、最新刊の20,000巻目を私達は生きているのです。

およそ17000年前に日本人が誕生し、現在に至るまで約900万ページ描かれてきた超大作漫画ですが、今回はそのうちの62ページを制作し展示しています。

人間の人生と漫画のコマは似たものを感じます。1日が一瞬で過ぎてしまうのと同じで漫画の一コマも数秒でめくられ次のコマへと切り替わります。
自分自身このようなテーマを決めて制作していく過程で、自分の悩み、過去の後悔がちっぽけに感じるほど今回の作品は壮大で人類の歴史の長さを痛感しました。
この作品を通して、漫画の住人になることを叶えた上に、自分の人生がどれだけ儚く一瞬なものかを感じ1日1日を大切にすると同時に、悩み事で立ち止まってしまうのはもったいないと気づきました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考文献:古事記、日本書紀、旧約聖書
マリトッツォ:https://amamdacotan.com

木村汐里
2000年生まれ、長野県出身
2022年桑沢デザイン研究所卒業

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