1.
太宰治『お伽草子』
2.
オルタナティブ肴「Variety」
3.
「BOOK = BRIDGE」(チーム制作)
1.
太宰治はこの『お伽草子』を1945年の大戦中、戦火から逃げる中で執筆しました。この作品は、総力戦へと日本が向かっていく中で、国内で流布する「理想の日本人の姿」といったイメージを解体しようとするものです。単なるおとぎ話のリメイクに留まらない、時代批評の側面を強く持っています。この作品の持つそのような性質を、デザインで伝えられないかと模索しながら制作しました。
2.
ギフトとして利用できる、様々なおつまみを扱うショップのブランディングです。するめや鮭とばといった、「珍味」と呼ばれるようなおつまみが好きだけど、その独特のイメージからあまり手が出せないでいる人に向けて、ポップなビジュアルで展開しました。図形と文字をアイデンティティの中心に据え、色数も多く、楽しげな雰囲気に仕上げました。また、最もこだわった点は発色で、メイン商品はシルクスクリーン印刷デザインの一部に用いています。一般的な印刷では実現できない、目に飛び込むような色を表現することが出来ました。
3.
共同制作:榊原浩允・小林美樹・平田梨奈・廣瀬文香・中村文音
製本会社である池田紙工様をクライアントに、制作した作品です。ポスターを構成するタイポグラフィは、実際に遊ぶことのできる迷路になっています。しかし、この迷路は中央の空間で途切れており、添えられた本の中から正解のルートを見つけて当てはめることで、クリアすることができます。
私たちはクライアントの「社員の人たちにもっと行動を起こしてほしい、変化していってほしい」という要望を、「自ら行動し、変化を起こすことでゴールできる迷路」で表現しました。「今まで共に歩んできた本を架け橋に、未来へと向かっていって欲しい」というメッセージを込めています。
謎解きというインタラクティブな仕掛けを施し、ポスターの概念の枠を超えた表現を目指しました。