授業課題

日浅夏希

(左)沖縄の風土を感じる畳と琉球ガラスのグラフィック、(右)形や色の多様性をあらわしたイラストによるグラフィック

琉球ガラスの魅力

工芸品の魅力を伝えるポスターを作ることになり、琉球ガラスを選んだ。
沖縄の海がそのまま形になったような雰囲気が好きで以前から集めていた。カラフルで、戦後の廃瓶から作られた名残の無骨さがあり、少し歪んだり同じものがひとつもないところが魅力だった。
現地の風土を感じさせるもの・ポップでデザイン性の高いもの、の二方向で魅力を伝えるポスターを制作した。琉球ガラスはどんな風景にも馴染む良さがあるが、和畳とのコントラストで魅力を際立たせることができた。一方のイラスト表現では、形や色のユニークさ、手に取りたくなる楽しさを感じられると思う。


日常風景と異素材(左上)、色の抽出・反転(右上)、風景のモザイク化(下)など、様々な切り口で違和感を表現する作品を制作した。

『REVEAL full of uncertainty』

”写真家やイラストレーターなど世界で活躍する架空のアーティスト6人が新しい切り口でそれぞれの違和感を表現する”という仮想の設定を設け、「違和感」をコンセプトにアートブックを制作した。 2020年5月に六本木のギャラリーで開催予定だった展覧会がコロナ渦で中止となりアートブックを発行するに至った、という背景を想定している。紙の上ならではの鑑賞体験とともに、違和感を通して新しい発見を提案するアートブックである。

発端は、これまでの自分たちのアート作品を本に載せてみたいという想いだった。ただ作品集としてまとめるだけでは単調になると感じ、”アートとデザインの融合”で新しい視点を体験できるアートブックを目指した。
制作中は、常にアートとデザインの境目を感じ、考える時間だった。今回は、かっこいい・かわいい・きれい、といった直感的なものを視覚的に伝えるデザインを試行錯誤して形にした。既存の情報を整理して発信する普段のデザインワークとは違った手法が難しくもあり、刺激的で学びの多い制作だった。

作品約200ページを、手作業のコデックス装で仕上げた。表紙をはじめ、異素材の紙を貼ることで違和感を表現している。雑誌のような気軽さと、アートブックの重厚感の両方を感じられる冊子を目指した。
pdfより作品全ページをご覧いただけます。

photo by unsplash.com

日浅夏希
奈良県生まれ
2015年 大阪大学大学院バイオ情報工学専攻 修了
2018年 桑沢デザイン研究所 夜間附帯 基礎造形専攻 修了
2019年 桑沢デザイン研究所 夜間ビジュアルデザイン専攻 入学

会社員。大学院以降、科学コミュニケーション・ビジネス・デザインの関わりについて模索しています。

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