WEP

河原光

『WEP』各5点

火傷するくらいの熱量を!

漫画やイラストを描くクリエイターは必ずなにかしらの武器を求められます。勿論その武器というのはマシンガンや釘バットという意味ではなく個性という名の武器です。私の場合は熱量が自分にとって最も馴染んだ武器でした。そこからその熱量を表現するためにあらゆる要素を取り込んでいくわけですが、この卒業制作に取り組むうえで今までに挑戦したことの無い表現でやってみたいという考えもありました。その結果モチーフとして選んだのはノーズアート*で、金属に絵を描くという手法でした。

『Sweet Vampire』500×1500

このイラストは夜間戦闘機に描かれたノーズアートという想定で制作しました。奥行きをだすため基本はアクリル絵の具で、黒い部分は半艶のラッカースプレーで塗っています。金属板(余白)はサーチライトに照らされている様子をイメージしました。またこの作品に限らず全ての作品は軍用機に描かれたノーズアートをモチーフにしているため、パネルの金属はビスで固定し、側面も金属テープを貼り質感を統一しています。

『Akiba's Bitch』900×400

このイラストだけノーズアートがモチーフでありながら秋葉原のメイドがテーマで日本テイストなイラストとなっています。主線には漫画用のつけペンを使用しています。

『Surprise Attack』400×400

このイラストのテーマは奇襲です。こだわりとして天使が描かれているので、キルマークもそれに合わせキューピットの矢をイメージさせるデザインにしました。

『JOCKEY』400×900

暴れる雄牛を乗りこなすカウガールがモチーフです。愛称であるJOCKEYは軍用機を操る乗組員とかけたものです。余談ですがカウガールの耳飾りと雄牛の耳飾りは色違いになっています。

『Diamond Bunny』400×400

こちらは危ない賭けに興じるギャンブラーがテーマ。キルマークの配色はバニーガールと同じものを、ダイス目はウサギのドクロと爆弾をイメージして制作しました。

*ノーズアート
主に搭乗員の士気を鼓舞する目的で軍用機に描かれる様々なイラスト。
女性や動物のキャラクターが描かれていることが多い。

参考文献
ゲイリー・M・ヴァラント『Vintage Aircraft Nose Art』Motorbooks Intl,1987

河原光
神奈川県出身。

普段は漫画を描いてます。
今回の卒業制作では画材に触れて直接絵を描くことの楽しさを改めて感じることができました。

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View