
「ふつう」とは
卒業制作に取り掛かる際に、最初に考えたのは多様性についてでした。
近頃では自分の意見を発信する場も増え、自由な発言ができるようになった反面、人と人との対立も多く見られるようになったと感じます。
それぞれが正しいと信じる「ふつう」は本当に「ふつう」なのだろうか。
そんなことを考えたのが、この展示のきっかけでした。

「私のふつう」から見る「それぞれのふつう」
改めて「ふつう」とは何かと考えた時、自分の中の固定概念であったり、ワードからパッと思いつくものだと感じました。
そこから、頭の中にある自分の日常の中のふつうをそのまま立体作品として表現したのが、「私のふつう展示会」です。
「ワードからパッと」なので、イメージとしては「絵しりとりで記憶を頼りに描いたイラストの立体化」といった具合に仕上げました。
制作の中での気づきとしては、興味のあるものとあまり興味のないものの作り込みに違いがあったり、無意識に好きな色が多く使われていたりと、様々な要素が人それぞれの「ふつう」を作り上げているんだなと感じました。



ふつうとはなんなのか。
答えの尽きない問題ではありますが、当たり前の中に違いを見出せば、新しい発見もあるのではないかと思います。
この展示が、それぞれのふつうについて考えるきっかけになることを願います。