今のハナシを。

加藤なう

私はそれぞれのテーマと素材を組み合わせた本を製作しました。
本は普通紙で作られるものですが、あえて布・アクリル・木を素材に使っているのには理由があります。それは私がコロナ中に考えてたことに繋がります。
コロナが流行り家と共に過ごした年と言っても過言ではなかった2020年。当たり前が当たり前ではなくなる、そんな経験をしたのは初めてでした。家で過ごす時間が多くなっていくとどんどん思考が深いところへと沈んでいきます。最初は自分のこと、家や物、好きなこと、周りの人たちについて沢山のことを考えていました。そしてその中の1つが「紙以外の素材を使用したら本ではなくなるのか?」でした。卒制ではこの考えをもとに、短い文章でその人自身の色を出す短歌とアクリル、読む人に新たな気づきを与えてくれる詩と木、必ずどこかで折り返さなきゃいけない回文と布、の組み合わせで制作していきました。

短歌集「物日食学」

私は身の回りにある「物」、過ごしている「日」、体を構成する「食」、桑沢で「学」んだことで構成されています。そこで一文字ずつ「食」「日」「物」「学」をそれぞれテーマとし6つずつ短歌をつくりました。一節ずつ読んで欲しかったので空間を区切る構成にし、表に短歌、裏にテーマに合わせた小話を乗せています。

詩集「あきすての はみゆれ」

あかさたな順に詩を作り、50音全てが文頭に使われています。制限した中でどうやって言葉を繋げるのかが問題でした。同じような言葉でも短い文章だとリズムが大切になってくるので、色々な組み合わせを試ししっくりくる言葉を探して完成しました。

回文詩集「確かに 貸した」

「トマト」や「新聞紙」など上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文とその回文に合わせたイラストを描き詩集を制作しました。長くなれば長くなるほど訳の分からない文章になっていきますが最後に文章になると文としての意味よりも回文として完成する気持ちよさがあります。

加藤なう
東京都生まれ。
2018年桑沢デザイン研究所入学。

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