ほどく輪郭

平原 桜

解体の途中に建築を作る

建築が終わり、新しく生まれ変わるとき、なぜ一度0にする必要があるのか。

これが卒業制作の中で生まれた最初の疑問でした。

渋谷では日々、駅や建物の再開発が繰り返されています。
これまで存在していた空間や記憶は、建築が解体、更地に戻されることによって忘れ去られてしまいます。解体と再生が共存し、建築が変わっていく“過程” そのものに、価値や美しさは存在しないのでしょうか。

この思考から、渋谷の中で特に強い存在感を放つSHIBUYA109、タワーレコード、宮下パークの3つを対象に選びました。これらは、いずれも「円柱・ファサード・屋根の円弧キャノピー」と、一目で認識できる「建築の顔=キャラクター性」を持っています。しかしそれらの要素は、現在の建築において構造的・空間的に重要な役割を担っているとは言い難いものです。

今回、それらの建築のキャラクター性を単なる象徴や表層として残すのではなく、解体と再生のプロセスの中で、建築そのものを主役の要素として再定義しました。建築を壊し、完全な更地に戻すのではなく、円柱・ファサード・キャノピーを核として建築が変形し、侵食しながら再生していく。
建築の解体と再生。「かつて何であったか」「これから何になろうとしているか」を同時に立ち上げることで、記憶の交差をすることができるのではないのでしょうか。

今回、模型を実際に解体し、再生させていく様子をストップモーションで記録しました。各建築に対して私自身が抱いた疑問を起点に、それぞれの象徴的要素を用いて違和感を解消することで、建築を完成形として提示するのではなく、変わり続ける建築の在り方そのものの過程を示しました。実際に手を動かすアナログを用い、建築が変わり続ける時間の移ろいを表現しました。

平原 桜
うさぎのキャラクターが好き。

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