Savor Trace

町野 優稀

奥渋に、温もりの波紋を広げる

本計画は、奥渋の持つ「人肌の距離感」に着目し、日常の温もりを物理的な「余韻」として空間に留める試みである。かつて茶園であった土地の記憶を、現代の日常である「一杯のスープを味わう行為」へと翻訳し、人々の営みが街の風景へと繋ぎ直される場を提案する。
設計の核となる「R壁」は、視線と動線を奥へと導き、熱気や香りをふわりと受け止める溜まりを生む。高く開放的なスープ屋を軸に、住人の「小さな生業」が住居と地続きに混ざり合う構成とすることで、職住が曖昧に溶け合う回遊性を創出した。
個人の体験が気配として重なり、素材に蓄えられた熱と記憶の余韻が波紋のように街へと滲み出していく。かつての長屋のような温かなコミュニティを育み、建築全体が奥渋の新たなインフラとして溶け込んでいくことを目指した。

町野 優稀

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