1.写真集「Between People -79」2.太宰治 三篇 1947-1948「ヴィヨンの妻」「斜陽」「人間失格」
1.
79の椅子を記録した写真集。写真は全てフィルムで撮影し、編集、デザイン、製本まで一貫して行っている。椅子に注目する。すなわちそれは「座る」行為の周辺の観察と想像だと気づく。計算された曲線、意図しない歪み。そこにあるかたちを観察する。椅子に注目する。同時に人の気配を感じる。その椅子と人との間にある文脈を想像する。椅子は、いつも背景にあった。
2.
太宰治が1947年から1948年にかけて発表した晩年三作を、2026年現在における一つの編集単位として再編成する。「ヴィヨンの妻」は伝統的な和綴じと、厚紙を表紙に貼るドイツ装の様式を組み合わせ、主人公の慎ましさと逞しさの共存を表現している。恋と革命がテーマの「斜陽」は、主人公の心情に合わせてノドにネオンピンクが広がっていく。「人間失格」は、漆黒の二重カバーで完璧な外面を、剥き出しの本体はナイーブで不完全な内面を表現している。



