
無機質であり、時間・場所によって見え方が変わる影に動きがあるのを感じました。
そこから感じた影のさまざまな変化に注目した作品になります。


自分から伸びる影
自分の影が映し出された時、その影は人の形がそのまま映るわけではない。いびつな形として現れ、こちらが動くと同じ動きをするが、口を開き話すことはできない。でも自分自身の影と対話することができたなら、影は何を発するのかと思うと少し怖いと感じる所もあるが、もしかしたら双子のような感じで私と同じ事を言ったりするのかなと思ったりする。対話しているようにふきだしをつかい、話しているかのようにした。その文字も、壁に描かれた影と同じように床から伸びているような形にした。壁に直接描くことで影の存在感を出す形にした。
“Hello. I’m glad to see you. Thank you for noting me.”
”こんにちは。君に会うことができてうれしいよ。私に気づいてくれてありがとう。”

カーテンから見える影
窓から植木や葉が風で揺れているのを見て思いついた作品。木々が揺れていると同時に窓を開けて風が室内へ入るとカーテンも揺れる。そのカーテンのわずかな揺れを使って木々が揺れているような形になった。
木々の表現で、距離感を出すためにカーテンを一枚ではなく三枚重ね、その真ん中の表裏に木々の影を散りばめ、揺れた時自然な形になるようにした。


手から伸びる影
テーブルに、光源が重なった事で影がたくさんあるように見えて、まるで分身しているような影に面白味を感じた。たくさんある影のなかに、さらに影と影が重なっている部分もあり、少し遠近感があるようにも見える。
これを見て、手を伸ばして何を掴もうとしているのか、そして何を描こうとしていたのかなど、”自分から伸びる影” ”カーテンから見える影” ”手から伸びる影”三つの影からなるこの作品を見ている方が、もし自分だったらどうするか少しでも想像したりしながら鑑賞してもらえたら良いなと思います。