指定された敷地は、奥渋において住宅街と商業街という、
異なる時間の流れをもつ二つの道に挟まれている。
両側の道には「止まれ」の標識が設置され、
人々は必然的にこの場所で一度立ち止まる。
本計画は、この「立ち止まる」という一瞬の行為に着目した。
住宅のリズムと商業のリズム。
本来は交わらずすれ違っていたそれらが、
この場所で立ち止まることで互いの気配を感じ合う場を
建築ないしは空間デザインによってつくる。
住空間と商空間は明確に分けられるのではなく、
ガラス越しに内部空間を介して重なり合い、
時間帯によってその濃度を変化させる。
それは、コーヒーとミルクが混ざり合い
カフェオレになる過程のように境界が溶け、
街のリズムが交差する瞬間である。
本建築は、神山町において異なるリズムをもつ人々が
一度立ち止まり、互いの存在を感じながら
街へと再び流れ出すための「縁」となることを目指す。



