Rhymora

上埜 実日子

指定された敷地は、奥渋において住宅街と商業街という、
異なる時間の流れをもつ二つの道に挟まれている。
両側の道には「止まれ」の標識が設置され、
人々は必然的にこの場所で一度立ち止まる。
本計画は、この「立ち止まる」という一瞬の行為に着目した。

住宅のリズムと商業のリズム。
本来は交わらずすれ違っていたそれらが、
この場所で立ち止まることで互いの気配を感じ合う場を
建築ないしは空間デザインによってつくる。

住空間と商空間は明確に分けられるのではなく、
ガラス越しに内部空間を介して重なり合い、
時間帯によってその濃度を変化させる。
それは、コーヒーとミルクが混ざり合い
カフェオレになる過程のように境界が溶け、
街のリズムが交差する瞬間である。

本建築は、神山町において異なるリズムをもつ人々が
一度立ち止まり、互いの存在を感じながら
街へと再び流れ出すための「縁」となることを目指す。

上埜 実日子
幼少期からものづくりや絵を描くことが好きで、
高校では服飾デザインを学ぶ。
身体に寄り添う造形や素材への理解を深める中で、
より大きなスケールで空間と人の関係性を考えたいと思うようになり、
卒業後は桑沢デザイン研究所夜間部スペースデザイン専攻へ進学。

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