遠い未来、人間という生物が滅んだ地球。
かつて地球にあふれた人間の残渣はあちこちに散り、大地や海に溶け込んでいった。
生物は滅び、生まれる。大地は変動する。地球は人間なしでも目まぐるしく変化していく。
太陽の光は徐々に増していき、月は変わらず地球の隣を回り続ける。
ある日、空に浮かぶ巨きな赤い星が砕け、無数の光が流れていった。
地球にも降り注いだ光は、自然と混ざり、生物たちに吸収される。
人間の残渣と不思議な星の光が混ざったものたちは、次第にその姿を変えていく。
新たな器官が発生する。それは不可能を可能にする。
意思が無いとされた者が意思を持つ。それは争いの火種にも、友好の始まりにもなる。
死んだ存在が動き出す。それは終わりが終わりではなくなる。
生物は皆、同じ道を辿るのだろうか?それとも、未だ見ぬ世界があるのだろうか?
あり得ないことが起こる世界で、生物はどう変わっていくのだろうか?
星が滅び新星を生むことがあるように、人間という生物の滅びは新たな生を生み出せるのか。
奇跡と空想の先にあるものを、“月”は観測する。



