都市の中で、人がふっと立ち止まる「一分」のかたち
「一分だけ」は、都市の中で人がふっと立ち止まる、その短い時間に目を向けた作品である。駅前や道ばた、公園のそばなどで、人はガードレールにもたれたり、少し腰をかけたりしながら立ち止まっている。本来ガードレールは休むためのものではないが、人が自然に使うことで、空間の意味は少しずつ変化している。
本作品では、「1分・3分・5分」という滞在時間の違いに着目し、身体の使い方の変化を形として表現している。寄りかかるだけの形、少し腰をかけられるM字の形、背中をあずけて休めるL字の形など、滞在時間に応じて異なる姿勢が生まれている。
たった一分のあいだでも、少し頭を空っぽにしながら都市とゆるくつながる感覚が生まれている。その瞬間、人が行き交い、街が動いていることがふと感じられる。「一分だけ」は、人のささやかな行為から生まれている時間である。しかしその一分の中には、小さな都市の世界が広がっている。
そうした瞬間を通して、都市の中に生まれているささやかな関係を、都市家具として静かにすくい取っている。



