この空は、ただ静かに変わり続ける。だから私たちは、ただ雲を見ている。
目の前に漂うのは、コードによってリアルタイムに生成された、3000個の、ひとつとして同じでない雲。
それらは静止した画像ではなく、独自の物理法則をもつ小さな宇宙を形づくっている。
雲は、目を向けなくてもいつもそこにあり、手の届かない存在。
空を覆う層のようで、白くて何もないのに、何にでもなれるような気がする。
今回は、作者である自分ですら影響を与えられないような世界をつくり、作家性や記名性が少しずつ薄まっていくなかで、作品自体が明確な存在目的をもたない、終始循環し往復する空間を拙く立ち上げ、ただ雲を見ている時間を置きたいと思う。



