境界をほどき、営みを編む
のんべい横丁におけるスリットの介入
“戦後から続く渋谷・のんべい横丁。そこは単なる消費の場ではなく、店主と客が人生を語らう「都市の知の拠点」である。しかし現在、再開発による均質化が進む渋谷において、この濃密な横丁は周囲から断絶され、閉ざされたコミュニティになりつつある。
本計画では、この歴史ある文脈を次世代へ接続するため、既存の組織に幅100mm〜900mmの微細なスリットを介入させる。完成された強固な建築を建てるのではなく、既存の壁をほどき、新しい営みを編み込むための「余白」を設計した。
スリットの幅に応じ、視線・物・身体の関わりをグラデーション状に変化させる。
このスリットは一度に完成するものではない。使い手が増えるごとに新たな通り道ができ、既存店舗と溶け合っていく。
人々の営みに寄り添いながら変容し続けることで新旧が混ざり合っていく、これからの都市の在り方の提案である。”



