空想水中植物

宮﨑帆乃香

空想の植物をモチーフにした、新しいコスメシリーズ

今よりももっと地球温暖化が進み、全ての陸が海の中へと沈んでしまった遙か未来での地球のおはなし。

海底に沈んでしまった陸の植物たちが、水中での暮らしに適合するため、擬態や共生、ときに寄生をしたり…少し奇妙で、とても美しい姿へと進化を遂げました。

そんな摩訶不思議な植物たちからインスピレーションを受けて作られたコスメたちは、まるで深海に揺らめく幻想そのもの。

使うたびに、眺めるたびに、あなたを遥か未来の海底へと誘う特別なコスメシリーズをぜひご覧ください。

《 忘却蔓 Oblivion Tendril 》

沈没した都市構造物の最上部に群生する水生植物。光を反射しやすい人工物を覆い尽くし、まるで文明を忘却させるかのような生態であることから、オブリビオン=忘却・テンドリル=蔓という名がついた。

長い付着性の蔓で構造物に絡みつき、流れ着いた死骸をたぐり寄せ、葉から栄養を吸収する。光合成が主なエネルギー源だが、深海では死骸による栄養補給が不可欠。

群生する沈没都市の最上階は、海中の幻想的な庭園のように見え、〈Oblivion Garden ー忘却の庭ー〉と呼ばれることがある。


《 幻鱗 Reveripodum 》

深海に生息する水生植物で、魚の鱗に擬態した銀色の実をつける。水流に揺れて光を反射し、捕食されることで種子が拡散される。

実の内側には浮力調整構造があり、捕食されなかった場合も水流に乗って移動し、やがて発芽する。

まるで魚になることを夢見たかのようなその姿から、レヴェリポダム=夢想+実と呼ばれる。


《 岩幻膚 Geodermis 》

岩石の表面に張り付きながら成長する水生植物で、偽の皮膚のような層を形成することからジオデルミス=地の皮膚という名がついた。

岩質を侵食し、内部に美しい発光組織を持つコロニーを築く。その輝きがジオードのような幻想的な光景を生み出し、表面の亀裂から星のように光が漏れることもある。

共生微生物と連携し、鉱物成分を栄養源とする特殊な代謝を行う為、成長は極めて遅く、1世代の形成には数十年を要する。


《 哀涙珠 Sorrowpearla 》

貝殻の内部に寄生し、真珠を生成させて栄養を得る独特な生態を持つ寄生植物。その生態からソロウペルラ=悲しみ+真珠の名を持つ。

真珠は環境や寄生の度合いで色が変わる。空色は最も一般的で涙のように透き通り、藍色は貝の抵抗が強い際に生まれる。藤色は共生関係が安定した時、黒色は貝が衰弱した際にできるとされ、この2つは特に珍しい。

この真珠は一見すると高級な天然真珠のような美しさを持つが、通常の真珠とは異なりかなり脆く、少しの衝撃で崩れてしまう。

宮﨑帆乃香

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