1.宮沢賢治の映し出す鉱物の世界を表現したブックデザイン
2.近代建築をモチーフとしたパッケージデザイン
1.宮沢賢治の著作のうち、宝石や鉱物の登場する6つの作品をまとめた短・中編集。宮沢賢治は幼少期より石集めに熱中し、『石っこ賢さん』とも呼ばれた。そんな彼の描いた鉱物の美しさや世界観をブックデザインに落とし込むよう努めた。
ファンタジックな古書の雰囲気を表現したかったため、本文用紙には僅かに黄色みがかった『淡クリームキンマリ』を使用。本文テキストには伝統的なテイストの感じられる『貂明朝テキスト』を用いた。やや茶色みがかった文字色で、アンティークな雰囲気を感じられるように工夫した。
また、より読者が物語への理解を深め、世界観に没入できるよう、巻末には物語に登場した鉱物・全40種の図解を収録。イラストレーションについても、本全体の世界観に合わせて、リアルすぎず、温かみの感じられるアナログ風のタッチを用いて描いた。
2.近代建築を利用したホテル、その喫茶室である『楓鳥座』を想定したパッケージデザイン。
土産物として、貰った時の喜びをまず目で感じられることを重視し、近代建築の美しいタイルやステンドグラスの意匠をグラフィックとして表現した。
色面にテクスチャを入れることで、色ガラスの持つ揺らぎ感や、歴史あるタイルの風合いを表現。印刷用紙には、発色の良さと上品さを重視し、パール調の光沢を持つファインペーパー『ペルーラ』を使用した。
