「伱間」がつなぐ、本と人と街
本提案では、人と人との出会いや交流が生まれる建物の隙間を「伱間(すきま)」と名付ける。
タワー型の独立した住空間の間に、本棚で構成された空間を差し込むことで、個人と街との新たな関係性を生み出し、街並みにも緩やかなつながりと広がりをもたらすことを目指す。
この「伱間」は、都市生活者のプライバシーを守りつつ、来訪者が立ち寄れる「交流が生まれる専門書店」として機能する。また単なる商業施設ではなく、日常に溶け込む暮らしの一部となり、本を介して趣味を深めたり、偶然の出会いや発見を生み出す場となる。
やがて、この「伱間」の仕組みを新規計画にとどめず、既存の神山町の建築にも広げていくことで、将来的に本棚空間が街並みの隙間を寄生するように縫って伸びていき、日常の行為や交流のきっかけとなる、新たな都市の風景が生まれるだろう。
