手に取りたくなる「表情」を目指して
1:明治時代に活躍した噺家・三遊亭圓朝の代表作。二人の登場人物の話が同時並行で進み、さまざまな伏線を張りながら、毎回続きが気になるところで場面が切り替わり、そして最後は因縁によって結ばれます。その物語の展開のさせ方は、落語というよりテレビの連続ドラマのようです。そこで『怪談牡丹燈籠』の速記本に書かれた全22話を連続ドラマとして捉え、演出しました。
『怪談牡丹燈籠』は、怪談とはいうものの実は幽霊よりも恐ろしい人間の「欲」のお話です。じわじわと露わになる欲望と復讐心を、重ねた紙が燃えて煤けていく様で表現し、作中の重要なシーンである夜をイメージした真っ黒なスリーブで覆いました。
2:日本の「縁起がいいもの」をモチーフにした東京・浅草のおみやげ。海外の友人が「見て見て!」と“なんちゃってジャパン”なものの写真を送ってくれた日々を思い出し、私だったらどんな東京みやげを贈りたいだろう?と考えてデザインしました。
