[コンセプト]
近代を席巻した二元論による絶対的真理の追求がもたらした、自と他の分断。 これによって生じた痛みを、光に満ちた「間」を内包する空間が癒していく。ヒトと世界は本来、未分離で、混沌として矛盾をはらむものであるという事実を、いにしえの原始建築に着想を得た本空間に身をおくことで、再確認してほしい。
[本空間が提供するもの]
間の空間に満ちる陽の光を感じながら、芸術家が作品を創造。その作品を間の空間にて、ヒトと共有していくことで、近代がもたらした自己と自己以外の分断が解消されていく。
[間の概念と芸術作品の創造・共有がもたらすもの]
間と芸術は、自己と世界の分断によって生じた痛みを癒すための、有効な手段である。
間の概念:
連続で複雑な世界を、要素に分けずにそのまま捉える概念である。万物の価値は相対的に決定されるもので、かつ、うつろいゆくものであることを示す。
芸術作品の創造と共有:
芸術作品の創造とは、混沌とした世界に解釈をあたえ、それを具現化することである。これにより、眼前の世界が理解可能なものとなるため、脳への負荷が小さくなっていく。加えて、芸術作品の創造と共有は、言語以前の、ヒトに本能として備わっている、他者とコミュニケーションをするための方法である。ラスコー洞窟の壁画にみられるように、自然との対話を渇望する思いが創作活動を生み出したともいわれている。
