開いて広がる懐かしい絵本の世界
わたしにとっての特別な「音」は、幼いころ、子守り唄代わりに読んでもらった本に出てくる「オノマトペ」。中でも宮沢賢治の童話に出てくるオノマトペは、独自の響きがあり、今でも頭の中に残り、口ずさんでみたくなるものばかり。
そのとき思い浮かんだ情景たちこそが、わたしの想像力の原点。宮沢賢治の『やまなし』、『貝の火』、『虹の絵の具皿』から、その情景をイラストと文字で表現し、すべてシルクスクリーンで手刷りで仕上げた。
製本も、ポップアップカードのように広げて楽しむ遊び心のある形に。
誰の記憶にもある、懐かしい絵本の世界へ。
