サケビーノ

土屋理雄

地球から1600光年先、「ダンマリー星」
そこには2種類の知的生命体が共存していました。
「ダンマリー人」と「サケビーノ人」
ダンマリー人はサケビーノ人に比べ高い知能と技術力を持っていました。
そのためはるか昔から現在に至るまでダンマリー人はサケビーノ人を支配下に置き奴隷として扱ってきました。しかし、サケビーノ人はそれに対し特に疑問を持つこともなく地下でそれなりに幸せに暮らしていました。ダンマリー人はそんなサケビーノ人を利用しながら発展を続け異星への移住計画を進めていました。異星人とのコミュニケーションは非常に難しく歓迎されることはまずありません。着陸した瞬間に攻撃を受けることもしばしば。ある時からダンマリー人は自ら異星調査に出向くことを控えるようになりました。

ある日一人のサケビーノ人がダンマリー人の黄色い花を踏んづけてしまいました。サケビーノ人はこれにより逮捕され、異星へ「星流しの刑」に処されることが決まりました。この刑では、赤いボタンが胸に取り付けられ、サケビーノ人がそのボタンを押されることで罪が赦されます。しかし、ボタンはサケビーノ人自身では押せず、他者に押してもらう必要があります。押されることで「叫び」が起こり、それが許しを得る証となります。所定の回数が押されることで、サケビーノ人はダンマリー星に帰ることができるのです。

サケビーノは自分の罪に疑問を持ちつつ1600光年先、「地球」に辿り着きました。


土屋理雄
埼玉県さいたま市出身。 中にいた人。

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View