Face One

大平明幸

時間経過にとらわれず、「今」にフォーカスする時計

私たちの人生は「今」という時間の積み重ねによって形成されています。目の前の時間を大切にすることが価値のある過去を作り未来に繋がっていくのではないでしょうか。しかし、私たちはしばしば過ぎ去った時間やこれから来るであろう時間に振り回され、自分自身のペースを見失うことがあります。例えば学校の課題や仕事の締切。はじめの余裕があるうちはのんびりと構え、残り時間が少なくなると慌てて動き、「あのとき、もっと早く行動しておけば」なんて思うような経験は誰にでもあるものでしょう。しかし、自分自身にとって価値のある時間を積み重ねるためには、時間経過に左右されず、その時々にしかるべきペースで行動することが重要であると私は考えました。そのような着想から制作した本作品は、針によって時刻を指し示すのではなく、文字盤が動き現在時刻のみがレンズに写し出されます。また、モチーフには通り過ぎていく時間に焦点をあて、切り取るカメラを採用しました。

過ぎ去る時間に焦るのではなく、今を意識する。この時計が、そんな時間との向き合い方を考えるきっかけになれば嬉しいです。

大平明幸
新潟県魚沼市出身 臭気判定士 大学卒業後に産業設備に関する営業及び商品開発を経験し、開発から販売までを行った経験からより良い製品を作るための知識と技術を学ぶために桑沢に入学した。2025年3月よりインテリア製品のメーカーへ転職予定

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