私は過去を刻む布
過去は海。
暖かく優しいその海は、
私の心を癒やし、導いてくれる。
私は今を刻み、自身の布に傷をつけている。
その傷は過去によって治され、私に刻まれる。
それはまた過去として、私になっていく。
私は過去を刻む布。
(作品概要)
幼い頃から私のことを愛情を込めて育ててくれた祖母から譲り受けた着物の反物を加工し、私を作ってきた過去に焦点を当て、形にしました。
地元の愛媛県の特産品である「伊予絣」の精神をもとに、藍染や漂白、絞り等の技法を利用しました。
また幼い頃から私の心の居場所であった海、そしてその海を照らす夕日をモチーフに、私に刻まれてきた記憶や愛する人たちを深く想いながら製作しました。
1体目:「優しさは、包まれる」
2体目:「後悔は、縫合される」
3体目:「葛藤は、重ねられていく」
4体目:「苦痛は、柔らいでいく」
5体目:「そして、私になる」






