1. 美術館で楽しむカフェ&レストラン
2. 音楽の父バッハの傑作を手元に
3. 色彩豊かな木々の逸品
1. 「Promé(プロム)」は美術館のミュージアムショップに併設されたカフェ&レストラン。ネーミングはフランス語で遊歩道や散歩を意味する“Promenade”と、美しい時間や昼の休憩を意味する“Méridienne”に由来し、展覧会を巡りながら、時間を忘れてゆったりとくつろげるような空間をイメージしています。
デザインは展示の額縁や回廊の窓枠を思わせるフレームをモチーフに、絵画や庭園に見られるような植物のイラストを重ね、やわらかく落ち着いた印象に仕上げました。また、各商品の側面にはフレーム形の切り抜き加工を施し、特別な雰囲気を演出しています。
2. J.S.バッハ作曲『マタイ受難曲 BWV.244』は、新約聖書の「マタイによる福音書」第26・27章に記された、キリストの受難に基づく宗教曲です。バッハの最高傑作と評されながらも、死後80年もの間上演されずに忘れ去られた過去があり、今日でも3時間に及ぶ演奏時間や、オーケストラと合唱を各二組用いる編成の大きさ、受難という題材等により、演奏機会は決して多いとは言えません。そんな偉大なる音楽作品を、演奏用の楽譜としてではなく個人の手元で味わえる読み物として、二手ピアノ編曲譜+日本語対訳という形式の単行本に仕立てました。
装幀は伝統的な洋書のような深い色味にゴールドの箔押しで印字し、随所の装飾には受難の象徴とされる苦よもぎの葉をあしらいました。また譜面と対訳にはすっきりとした余白を残し、詩集のような情趣を感じさせています。
3. 日本の伝統文化を振興・発信する団体「47 TRAD JAPAN」の二連ポスターとして、国指定の伝統工芸である箱根寄木細工を取り上げて制作しました。豊かな植生をもつ箱根山系では様々な種類の樹木が育ち、宿場町の文化とともに、色鮮やかで緻密な工芸が発展してきました。江戸時代から受け継がれる技の魅力を現代に伝えるために、イラストレーションと写真という異なる手法を用い、伝統と新奇性の両面を感じさせるデザインとしました。
イラストレーションでは繊細な色柄や木の質感を追求し、実際に木材を用いたような印象を与えています。一方、写真では現代的な生活空間にも馴染み、かつ森に差し込む日光に照らされたような空気感のあるライティングで表現しました。









