FAM-TENA

長谷川太一

「野菜を、食べ続けられる未来」へ。

「温暖化を止めるために野菜の摂取を控えましょう」。
ーフィクションではなく実際に迫っている未来の可能性です。これは農業に持続可能性が欠けていることに端を発しています。なぜ農業はそんな状態なのでしょう。
持続可能性を損ねている[形質的ななぜ]は無数にあります。一方で、そうなってしまった[プロセス面のなぜ]は明快です。
私たちの祖先は生存に有効なシステム(もちろん農業もその一つ)を育んできた中で、資源への影響に関しては盲目だったからです。
近年になり、環境が激しく軋んでいることに私たちは気づき始めました。
しかし、末期のように見える地球資源を踏まえた上で、人々が生きていくために巻き返しの手を打たなくてはなりません。


私は、プロダクトデザインの視点から農業の形質的な問題である[輸送時CO2排出]に対処する製品機器を構想しました。
FAM-TENAは都市で野菜を作り地産地消を実現してエコな都市型農法を推進する製品です。
3つの特徴をご紹介します。

1_製品内部で製造から販売まで一貫させる事で輸送を0にする事。
2_本棚一つのスペースから栽培できる手軽さ。大規模な工場型栽培に比べ、より小さなスペースの活用ができ生産量の増大に貢献する。
3_シンプルなコンテナ型でモビリティへの積載が容易。変化することが想定される土地の都合や野菜の需要に対し、移動の容易さは生産の効率化につながる。

これらの特徴を備えたFAMーTENAは、農業の環境負荷抑制に貢献する可能性があると考えます。


この農業にまつわる問題を「根から摘み取る」時、一つの手で一息にやり遂げることはできないでしょう。代わりにさまざまな角度に揺すりながら多様なアプローチをかけていくことで、問題の根は綻びを見せていくはずです。
このコンセプトを共有することで、プロダクトだけでなく現代の学問が協調した末に解決が導かれることの一助となることを私は望みます。
[皆が野菜を食べ続けられる未来]はきっと実現できるはずです。

長谷川太一
2024.3_桑沢デザイン研究所昼間部プロダクトデザイン専攻卒業

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View