幻想的かつ生々しい世界観を再現した装丁
赤子という少女になった金魚と老作家の“おじさま”との摩訶不思議な愛のかたちを描いた本作は、会話文のみで構成されており、まるで夢の中にいる感覚に陥ります。その独特な世界観を普遍的な本としての形態は保ちつつ、繊細なデザインに落とし込んで表現しました。
軽やかで透ける紙に濃度を限界まで下げた文字を印刷することで、紙が重なったときに文章がぼやけ幻想的な表情が現れます。また裏表紙では、実際に泳ぐ金魚を撮影した映像から金魚特有の有機的な曲線を抽出してグラフィックを制作し、文中にある肉体的な生々しさを再現しました。



