ページを皮膚に見立てた書籍
恥ずかしながら、私には自分の皮膚をむしる癖があります。にきびは手当たり次第に潰し、かさぶたは片っ端からはがし、唇の皮は延々と剥き続けてしまう。表層のノイズを取り除いて深層にあるものを露わにすることで、快感が得られるのです。
これは書籍のページをめくることにも共通していると考えます。そして、これこそが私が「紙の書籍」と「皮膚をむしる」ことに執着していた理由ではないかとも思っています。
そんなあまりにも個人的な感覚から着想を得て、ページを皮膚に見立てた書籍を3冊制作しました。「にきび」「吹出物」「刺青」といった描写を視覚的・触覚的に紙の上に表現し「皮膚の本」として形にすることで、私の皮膚をむしるという行為やその原因となるストレスを昇華させようと試みました。







