渋谷・神山町という街のなかに、小さな街のような建物をつくる
神山町にはゆるやかで穏やかな空気が流れているが、意外と日常使いできるような店が少ないと感じる。例えば、お洒落なレストランやバーはたくさんあるのに、定食屋はほとんどない。神山町に住む人々が、衣・食/職・住を満たせるような日常使いできる新たな「街」が必要ではと考えた。
街を意識し、次のようなデザインをした。
【外観】街をマクロの視点で見たとき整然としたブロックの羅列に見えるように、外観はブロックを組み合わせた構成とした。
【内観】街をミクロの視点で見たとき建築と街路で構成された入り組んだ複雑性が見えてくるように、内観をスクエアとラウンドパーティションで表現した。ラウンドパーティションを建築と見立て、パーティションで切り取られたスクエアの残りの部分を街路と見立てる。
【回遊性】街を散歩するときのように、寄り道しながら建物内を万遍なくめぐり歩けるようにした。様々な方角に設けられた開口部からは多彩な景色が臨める。
【スケール】建物を構成するスクエアブロックは、6.5×6.5メートルで構成されている。半径5メートルのラウンドパーティションは1ブロック約20平方メートルで一人が居住可能な住宅の広さ。ラウンドパーティションで切り取られた通路部分は最小部分で約1.5メートル幅になっている。日常に馴染むスケールを取り入れた。





