見ることについて写真から考える
「見る」ことは同時に、見えない何かを知ることのように感じており、そのような感覚を本にして みようと思った。Point/視点・Surface/視界・Line/視線の3つを主題とする3冊組の本です。どの章 も写真がメインで、それぞれの主題に合わせた固有のレイアウトになっていますが、時に同じグ リッドを使用したレイアウトや紙の剪定方法が遠くのページ同士を結び付けたりします。私が見る ことについて感じている感覚を強調したような造本としつつ、本としてまとまりが出るように意識し ました。製本は一見すると3章・3冊組のようになっていますが、章同士が磁石でくっついており1 冊のようでもあります。このような、離れてしまいそうな儚さをもった不思議な製本は、見ているも のが、こぼれ落ちたものの上で成り立つ儚さに似ているような気がします。