春琴抄 谷崎潤一郎

宮城政亨

春琴抄 谷崎潤一郎

盲目である三味線奏者の春琴とその丁稚である佐助が彼女を献身的に支えていく姿を描いた本作は、複雑で凄まじい内容でありながらも静かに淡々と綺麗な文体で物語が進んでいく。愛と敬いから春琴の願いを自らの黒目を針で刺し盲目になる事で叶え、二人だけの精神世界を生きる事を選んだ佐助に異常性と共に生物の本質的な美しさを感じた。目が見えないからこそ見える美しさをコンセプトに、いくつかの製本方法を組み合わせ、各章の雰囲気に応じたすべてのページの文字組みを変更し、感情や人に痛みをイラストを用いて表現した。別途で盲目になった佐助の見る精神世界をテーマにした写真集を制作している。

宮城政亨
1998年生まれ。沖縄県出身。
2021年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン学科入学。

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View