小説『老人と海』

濱口愛

老人の海での戦いと「人の人生」を重ねて制作

本文紙の色の変化は海での戦いにおける老人の疲労感を表現したものだが、「人の老い」とも捉えられる。苦難の時は辛いけれど、乗り越えた先で回顧すると、その記憶が美化されることもある。このように、人の一生を俯瞰して見た時の美しさを表現するため、本文紙のグラデーションの美しさも意識した。また、様々な場面で登場する新聞は、当時の時代背景を映し出している。本書が執筆された国と年代に合わせ、1950年代のキューバの新聞のコラージュを見返しに使用した。

濱口愛

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