「十二支のものがたり」手触りで感じる12の干支
視覚障害者用の絵本は、既存の絵本に点字を張り合わせ加工したものが一般的である。色や形などを視覚情報なしに伝達することは難しく、「見えない人」が絵本から受け取ることができる情報は、「見える人」のそれとは大きな差がある。そこで考えたのが、点字によるテキストとともに、絵を様々な質感で表現し、触って楽しむことができる絵本である。日本の伝統的な慣習である干支をテーマとし、動物の様々なかたち、毛並みの違いを「見える人」「見えない人」が一緒に楽しむことができるようにした。(本文は教育画劇『十二支のはじまり』をもとに一部改変の後、点訳をおこなった。)
共同制作:中尾良美 / 古屋茉莉子