授業課題

西村尚記

Quest_MONO
クセのあるちょっとクセになるもの

キャッシュレス時代の日々の持ち歩きに最適な財布

Sep_allet

キャッシュレス時代のミニマルな財布
https://okina246.wixsite.com/quest-mono/sep-allet

最後の財布

一枚の革を縫わずに成形することで形作った財布。

カード2枚と数枚の硬貨と紙幣、一つのカギをまとめて持ち歩くことができます。

カードをスライドすることで、その裏にしまった硬貨や紙幣を取り出すことができます。

素材としての革と同じ製品寿命を持っていて、機能はミニマル。
もし財布が今後、社会的にも個人的にも、その存在をなくしていくなら、きっとこの財布が最後の財布になります。

1:2.35

財布としては見慣れない、細めの比率。
製造の過程で揺らぎはあるものの、1:2.35 の比率で設計してあります。

なんだか見たことがある、と言う人は多分正解。
映画などに用いられる比率です。

手に持った感じはかつての二つ折り携帯のようです。

美しいことはもちろん、カバンやポケットから取り出しやすく、また、手で握った時の収まりが良いこともあり、この比率を採用しました。

縫わない

ちらっと言いましたが、縫ってません。

革のカタマリ。みたいなものを作りたかったのもありますが、縫うと綺麗な革に穴があきますし、汚れやすくなりますし、糸と革の耐用年数に違いがあり、革の寿命がくる前に補修が必要になってしまいます。

複数の部品を接着剤で繋げる案も、似たような理由でやめにしました。
なので、この製品は革一枚だけでできています。

…鍵を取り付けるための革紐をのぞきますが。

型にはまらない型

型にはめて、革を成形してあります。

装飾的な意味がないわけではないですが、どちらかというと使い勝手のためで、実に実利的な形になっています。

カードの裏に入れた硬貨が不意に出てこないようにしたり、手を軽く握ったときの指先が、いい塩梅にフィットしたりするなど、色々シミュレーションをしてこの形になりました。








[Horai / 時を忘れる時計]波状に加工された風防は、常に回転し、針をゆらめかせる

Horai

時を忘れる時計
https://okina246.wixsite.com/quest-mono/horai-1

時間を曖昧に知る

デジタル時計のような、あまりに正確すぎる時計は、くつろいでいるときに見ると現実に引き戻されてしまう。この時計なら時間の経過を曖昧に捉えることができるので、そのまま自分の時間に戻れます。

時を忘れる

今何時だ。

そう思うときはたぶん、正確な時間が知りたいはず。

そしてそれは、そんなに難しいことじゃない。

周りにあふれるデジタル時計を見れば正確な時間が簡単にわかる。



もうこんな時間か。

そう思った時はたぶん、ふと、時計が見えたはず。

忘れた時間を思い出すのが、デジタル時計なのはちょっと味気ない。

あまりにも正確で、時間を忘れていた余韻がない。


アナログ時計には不思議な魅力がある。

見た時に針が止まっている(ように感じる)こともある。

その現象は「クロノスタシス」と言われて、割と解明されたりしてるのだけど、
それでも、針が止まって見えるのが、まるで時が止まったようで面白い。

時を味わう

時を計る、と書いて「時計」。

水を計る時は、計量のための目盛りの入ったカップを使う。
それを思えば、時計に目盛りがあって当然な気もする。

でも待ってほしい。目盛りがなくても、計れるはずだ。

目盛りの入った計量カップではなく、目盛りのないガラスのコップ。

精度は落ちるが、だいたいは計れる。

それに、水を計るのではなく、水を飲むのであれば、やはりガラスのコップの方がいい。

時計も多分一緒で、一分一秒の細かさを必要せず、ゆったりと時を味わうのであれば、ただのガラスのコップのような時計。

それがいい。

スケッチ
西村尚記
1994年生まれ。
基礎造形専攻→夜間プロダクト専攻
「西村おきな」の名前でフリーランスとして活動

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