授業課題

工藤真由

   

1118

植物とは茎にハサミを入れたその瞬間から枯れてゆくもの。
そんな終わりあるからこその美しさを出来るだけ長く保つため、
花の適性温度を感知し水温を適温に保つ機能が付いた除湿機と一体型の花器の提案。

   

従来の除湿機の後ろめたさを無くし、進んで目につく場所に置きたくなるようなものに。

デザインはSF映画や地質学に出てくる“モノリス”から着想。

1:4:9の美しい比率。
ただそこにあるだけで存在感があり、
活ける花をより引き立たせるようなデザインを目指した。

巨木を見上げるような盆栽の鑑賞方法を参考に室内の小さな花器の中で大自然を味わえるよう、卓上置き型と壁掛け型の2パターンを想定。

   

従来の花器、除湿機に共通する一塊のフォルムは安定性に欠け、
少しの衝撃で倒れてしまうことが多かった。

花器部分と吸湿部分の間に空間を開け、軸を2つにすることによって安定感が生まれる。
また互いを孤立させ存在感を引き立たせると同時に除湿機の野暮ったさを払拭。

   

Function
【花の種類を感知して水温を適温に調節する】
気温の上昇は切り花には悪条件。水温が高いと保ちが悪くなるもの。
常に花に適した水温を保つため温度調節をしてくれる。

【水中の雑菌やバクテリアなどを防ぐ】
ぬるくなった水は雑菌やバクテリアにとって好条件。バクテリアの繁殖した水に花を活けているとやがて雑菌が茎に入り込み水を吸いづらくしてしまう。
常に清潔な環境を保つため塩素を利用し水中のバクテリアやカビを殺菌。

【花にも環境にも優しい水換え】
切り花を活ける際、1日に最低2回は水を交換するべきだがその一手間が億劫。
また除湿機能の際に出た水を再利用したいという声が多く上がっていた。
タンクに溜まった水を循環させ再利用することにより花にも環境にも良い水換えが可能。



2Face Each Other

ふと、家の中で母の目をちゃんと見て会話をしているだろうかと思った。

長く過ごせば過ごす程、一緒にいる相手の存在が当たり前になり、
顔を見ずに会話することが当たり前になっていた。
改めて相手と向き合い話をするからこそ一緒にいる人との時間や
会話をもっと大切なものにできると思いこのプロダクトを提案した。

互いの間隔を固定することにより普段よりもっと距離が縮まる。
1つの円(縁)を2人で繋ぐような形にし、
飾らない素の状態で話せるようミニマルで無駄がないデザインを目指した。
対面だからこそ出来る会話を楽しめる、気軽なコミュニケーションスペースを家の中に。

工藤真由
兵庫県生まれ。
2016年 女子美術大学附属高等学校 卒業
2016年〜2018年 多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科
2021年 桑沢デザイン研究所 卒業

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View