ハムレットに近づく
シェイクスピアの中でも最長の戯曲であるハムレット。「ハムレット」という名前は聞いたことがあるけれど、内容までは知らなかったり、戯曲ということもあり読む機会は少なく思う。
そこで、読みにくそうなイメージのハムレットを本全体によって表現することで、ハムレットの登場人物たちの感情のズレで、悲劇に繋がっていく世界観を知ることができるようにした。
この本では、ハムレットの五幕分を短く編集し、文字組み、質感によってハムレットの感情表現をしている。また製本の糸綴じの糸が人物が死んでしまうごとに減っていくことで、物理的な形の変化や、糸の減少で悲劇の感情を手からも感じさせる。
シェイクスピアの詩のリズム感は失われてしまうかもしれない。けれど、この本で興味をもち、あくまでもこの本は、本物の戯曲への導入になることを目指した。