HANABI

藤村南美

記憶に残る夏の香水

花火は一瞬で消えてしまう儚く美しいもので、大切な思い出も花火のように時が経つと記憶が曖昧になってしまいます。本来ならすぐ消えてしまう花火を、視覚や聴覚だけでなく、香りも使って、思い出を永遠に残すことができるような香水を考えました。

フレグランスボトルと練り香水

花火には様々な形や大きさがあり、菊、牡丹、柳、蜂などの名前がついています。その中から花火の代表とも言える「菊」と「牡丹」をモチーフにフレグランスボトルをデザインしました。
「菊」は光のを尾を引き、「牡丹」は尾を引かず点となって広がる花火です。ボトル上部にある花火の装飾はそれぞれの花火を表現しています。本体はグラデーションで夜空を表現しており、菊は晴天の夜(青)、牡丹は夕暮れ時(赤)をイメージした色となっています。
香りは、菊、牡丹の香りです。夜空に向かって上空で花開く花火のように香りも広がります。

練り香水は「千輪菊」という花火をモチーフにしています。千輪菊は、音が鳴って不発かと思わせておいてからたくさん小さな花が一斉に夜空に開く花火です。一斉に咲く特徴を練り香水に生かし、容器をまとめておくと千輪菊になり、1個でも花火とわかるデザインとなっています。
どの角度からでも、レンズ効果で輝きが美しいが特徴です。


ターゲットは20〜30代。
値段設定は、フレグランスボトルは6000円、練り香水は1個1500円を想定しています。
販売場所は、埼玉県川越。
江戸時代の城下町として栄え、蔵造りと呼ばれる建築様式の古い建物や、商家が立ち並ぶ町並みで知られている古き良き場所となっています。夏は小江戸川越花火大会、秋には川越まつりが行われます。着物レンタル店が多くあるため、普段から着物を着ている人も多いことが特徴です。そんな風情あふれる場所のような、落ち着いた香りの香水となっています。
フレグランスボトルも練り香水も、香水として使わない時は和風インテリアとしても楽しむこともできます。
この香りを感じることで、いつかの大切な記憶を思い出させるものになるでしょう。

藤村南美
埼玉県生まれ。
2021年桑沢デザイン研究所卒業。

Image View

List View

Students
Archive

Image View

List View