授業課題

後藤有里

『蘭陵王』、『蘇利古』(B2サイズ)

COOL JAPAN FUND広告ポスター『蘭陵王』、『蘇利古』

古くからある文化の中に、新鮮な造形を観る

雅楽をテーマにCOOL JAPAN FUNDのポスターを制作しました。雅楽は日本の古典芸能の一つで、古くは奈良時代まで遡ります。今回は雅楽の中でも代表的な二つの曲目、蘭陵王と蘇利古の面をモチーフとして選び、面の迫力を出せるよう版画で制作しました。歴史的にも古い文化の中に、新鮮な造形を観て頂けたら幸いです。



新美南吉短編集『花をうめる』

作品を読み込み、表現する

新美南吉の著作というと『ごんぎつね』や『手袋を買いに』など、狐が登場する作品が広く知られていますが、他にも数多くの儚く美しい物語を残しています。本作品では、代表作の影に隠れてしまった作品郡に焦点をあて、短編集を制作しました。装丁は『花をうめる』の作中に出てくる、花をうめる遊び(ガラス片で蓋をした、花を隠した穴を探す遊び)から着想を得ています。すりガラス風のアクリルに内側から彫刻を施し、花がガラス越しに埋め込まれているように見せました。また、今回収録した短編は著者の少年時代を強く反映させたものが多いので、本文は明治後期から大正時代の教科書を意識し、明治期の教科書に用いられたかな字様を参考に作られた書体「花蓮華」を用い組みました。

新美南吉の著作 『花をうめる』、『小さい太郎の悲しみ』 、『おじいさんのランプ』、、『デンデンムシノカナシミ』を収録。*1 



グループ作品『株式会社池田紙工ポスター』

「めくる」ワクワクを通して社員の帰属意識を向上させる

埼玉県戸田市に所在を置く製本会社「株式会社池田紙工」さんのインナーブランディングを目的としたポスターを制作しました。
コンセプトは「めくる」ワクワク。本来平面的であるポスターを何枚も重ね、めくることができるポスターにしています。社員さんがポスターをめくることで、製本業という仕事が人々の生活に深く関わる文化の一端を担う仕事であることを体感してもらえるよう、このようなユニークなポスターに仕上げました。
デザインのテーマは「①紙飛行機、②青、③繋がっていくこと」。まず「①紙飛行機」は、株式会社池田紙工を象徴する存在として取り入れました。重ねられたポスターは全部で9枚あり、それぞれには戸田市街の『本のある日常』が描かれています。紙飛行機は、これまで作られてきた池田紙工の製品や社員さんの思いを表わす存在として、めくるポスターの中で人と寄り添いながら街を巡っていきます。また「②青」についてですが、今回このポスターの色彩は青で統一しました。池田紙工本社の看板の色が青色であり印象的であったこと、また紙飛行機をテーマの一つとしているので「空」を連想させる色として青色を選びました。そして最後に「③繋がっていくこと」をテーマとしました。本や出版文化も脈々と受け継がれ繋がってきたものであるので「繋がり」を表現するために絵の場面がリンクするように作りました。

参考文献
*1 出典:青空文庫

後藤有里
夜間部ビジュアルデザイン専攻科卒業

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