パンとカフェと本のこみち
傾斜地に光とにぎわいの場所をつくるパン工房のくらし

谷畑実幸

(上から)地域のこみち内観 / 緑道から見た住宅外観

傾斜地に光とにぎわいの場所 "地域のこみち" をつくるパン工房のくらし

自然豊かな世田谷代田の緑道沿いに位置するこの敷地に、ベーカリー、カフェ、ライブラリを併設した2世帯住宅を計画した。

北沢川緑道は地域の人々の憩いの場となっているが、敷地周辺の緑道に面する住宅の多くが、高い擁壁で仕切られている。
そこで、今回は高低差のある敷地の中層に、緑道と見晴らしの良い西側階段とをゆるやかにつなぐ ”みち” を敷地内に引き込むことで、地域と繋がる併用住宅を目指した。

(上から)ベーカリー / カフェ / 地域のこみちから見たカフェ / カフェから見たりょくどう文庫 / 住宅部テラスから見下ろす地域のこみち

緑道利用者の交流の起点となる、地域のこみち

地域のこみちを中心として地域の人々の交流が生まれるよう、
ベーカリー・テラス・カフェ・りょくどう文庫(ライブラリ)・住宅を地域のこみちの両側に配置している。
また、地域のこみちの上部に住宅部を交差させて配置したことで、
空間に光を届ける抜けをつくると同時に、日々の暮らしを営む住宅部にも地域の人々のにぎわいが伝わる構成となっている。

ベーカリーで購入したパンやコーヒーを、りょくどう文庫で見つけた本を、
カフェやテラス等の好きな場所で楽しむことができる。

今日のわたしは、どの居場所をえらぶかな?

平面図 / 断面・立面図

高低差と視線の抜けでつくる居場所の関係性

住人やこの場所の利用者それぞれの居場所から、敷地内庭や緑道の豊かな自然が感じられるよう設計した。
また、敷地の高低差を利用して空間を分けた結果、異なる機能の空間がゆるやかにつながり、利用者の居場所が固定されない自由度の高い空間が生まれた。

谷畑実幸
東京生まれ。
2019年成蹊大学法学部卒。

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