AI幕

芳賀響

文化の再構築

日本では弔事の時には鯨幕を、めでたい時には紅白幕を使う文化がある。
まるで圧をかけるように感じると同時に色を変えるだけで人間の感情を鼓舞し、人間もまたそれに従っているように見えておもしろいと感じた。
自分たちで勝手にルールを設け、意図的に文化的な生活を営めているというのはとても人間のらしさでユーモアを感じる。
その人間のユーモアによってできた文化をAIと共に再構築してみた。
感情を持たないAIにそれぞれ悲しい、めでたいことを綴らせ、黒色、赤色のチープな圧をグラフィックに落とし込み可視化することで幕を制作しそれをただのファッションとして展示する。
が実際のところ、この二つの幕の意味合いは明治時代の文明開化の影響で定着したものであり、歴史もそんなに大したものではない。
かつては鯨幕のみが使われており、色を変えるだけでめでたくなれるようになったのは最近のこと。そこから歴史ある鯨幕も次第に役割が変わっていった。
この再構築はただの近代文化への冷やかしである。
また、鯨幕に使用した文章はAIが綴った「人間とバウハウスがAIに負けて衰退していく」といった内容だった。

AI幕 from 芳賀響 on Vimeo.

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